経営課題から探す
売上はあるのに利益が増えない
費用を一律に削る前に、利益がどこで生まれ、どこで消えているかを見る。利益を生む顧客にお金と時間を寄せれば、売上が同じでも利益は残る。
こんな状態の会社に
会社の規模は問いません。次のような悩みに心当たりがあり、変えようとする意志がある会社が対象です。
- 売上は伸びているのに、利益が残らない
- どの顧客で利益が出ていて、どの顧客で損をしているかが分からない
- 広告や販促の費用が毎年増えるが、何が利益につながったか説明できない
- 値引きをしないと受注できない取引が増えている
- AIで作業は速くなったが、費用も利益も変わらない
どれも、利益がどこで生まれ、どこで消えているかが見えていない状態です。
費用を削っても利益が増えない理由
利益を増やそうとすると、まず次の3つが思い浮かびます。
- 経費を一律に削る:利益を生む支出まで削り、翌年の売上が落ちる
- 売上目標を上げる:値引きや手間のかかる取引まで取りにいき、利益率が下がる
- AIで作業を減らす:作業は減っても、人も費用も変わらなければ利益は増えない
3つに共通するのは、お金と時間の使い道を、顧客ごとに分けて見ていないことです。
同じ1円の売上でも、取引が長く続く良い顧客から得た1円と、手間と値引きを重ねて得た1円では、残る利益が違います。費用の総額を見ても、この違いは見えません。
利益を生む顧客に、お金と時間を寄せる
順番は2つです。
- 利益が生まれる場所と消える場所を、データで見えるようにする:顧客ごと・チャネルごとに、売上と、そこにかけた費用と手間をつなぐ
- 利益を生む顧客に寄せ、生まない支出をやめる:削るのではなく、使い道を変える
見るべきは費用の総額ではなく、どの顧客にお金を使っているかです。
実際にやったこと
顧客の理解の刷新:主要顧客を守り、販促の無駄打ちを減らした
大手商業施設でマーケティングの改革を主導したときは、会員の購買データを機械学習で分けました。分けてみると、利益を支えている主要顧客の群は限られていました。
そこで、主要顧客を定義し、離脱の兆しを捉えて引き止める施策に力を集めました。施策ごとにどの群が反応したかを並べて振り返り、反応のない群への販促を減らして、浮いた販促費は反応する群に回しています。経緯はコラム『顧客分析で年10億円超の利益』に書きました。
マーケティング投資の見直し:利益を生む顧客層に予算を寄せた
グロースドライバーとして支援しているBtoBマーケティング支援企業では、会議で話されるのは広告の獲得単価ばかりでした。申込の約8割は、どこから来たのかが分かりませんでした。
まず、経営が答えを知りたい問いを決めました。マーケティング費用のどこに、利益につながらない支出があるのか。この問いに要るデータだけをつなぎ、データ基盤は2日で構築しています。
そのうえで、投資の判断を、獲得単価の安さから、LTV(顧客が取引全体で生む売上)の高い顧客層を狙えているかに切り替えました。削った費用は、再投資に回しています。経緯はコラム『AIで利益が出ない理由』に書きました。
広告運用の見直し:払う理由のない手数料をやめた
大手自動車流通企業では、広告の運用を代理店に任せきりで、改善と振り返りがなく、手数料も高い状態でした。運用の内製化を段階的に進め、代理店のコンペで契約を見直しています。手数料を減らしたうえで、獲得数は約15〜20%増えました。
3つとも、費用を一律に削ったのではありません。利益を生む顧客と支出を見分けて、お金の使い道を変えたものです。
AIを使う場面と、使わない場面
AIを使うのは、利益の流れを見えるようにする作業と、その後の見張りです。
- 散らばった売上・費用・顧客のデータをつなぎ、集計する
- 顧客ごと・チャネルごとの採算を毎月出す
- 利益を支える顧客の離脱の兆しを知らせる
AIに任せないのは、次の判断です。
- どの顧客を、利益を生む顧客とするかを決める
- どの支出をやめ、どこに回すかを決める
- 値引きや取引条件の線を引く
問いを決めないままAIで集計を速くしても、見える数字が増えるだけです。
進め方
- 経営が答えを知りたい問いを決める:どの顧客で利益が出ていて、どの支出が利益につながっていないか。
- 要るデータだけをつなぐ:売上・費用・顧客のデータを、顧客とチャネルの単位でつなぎ、数字の定義を一つにそろえる。
- 利益を生む顧客を定義する:売上だけでなく、取引の続き方と、かけた費用と手間で線を引く。
- お金と時間の使い道を変える:利益を生まない支出をやめ、利益を生む顧客への施策に回す(事業戦略実践ワークショップで方針を1枚にする)。
- 毎月、使い道を見直す:顧客層ごとの採算を見ながら、配分を直し続ける。
期間の目安
3か月で初期成果を出し、6か月で軌道に乗せる
担当

